『バタリアン』
原題:The Return of the Living Dead
1985年 アメリカ 91分
監督:ダン・オバノン
田舎町の、病院などの研究施設向けに死体や人骨から犬の半身の剥製を扱う会社に、米軍で出来てしまった死体を生き返らせるガスによってゾンビ化した遺体を閉じ込めて、ついでに秘密も閉じ込めちゃったうえに、何かの手違いで届いたというタンクが地下にあり
それをおしゃべりなおじさんが新入りの若者に“ノリ”で話しちゃって、“ノリ”で見に行っちゃって、“ノリ”で叩いちゃったために核が落とされるという、風が吹けば桶屋が儲かる、みたいなお話。(ちょっと違う)
これは愛すべき「クソ」パニック映画です。ほめてます、よく出来てます。でもshitなんです。
何しろ捕らえられたゾンビが「おまえらはなぜ人間の脳を食べるのか?」という質問に答えるのですが、ちょっと深いかも、と思いきや、その核心に迫った答えが解決に生かされることなく終わります。
死の愁いなど微塵も感じないほど全力で走るゾンビ。
カーライトが点灯するまで整列してじっと待って空気を読むゾンビ。
ヤンキー風の男にバットで頭を見事に吹っ飛ばされるゾンビ。
「君、良かったね。」と言いたくなる赤毛の女。
ゾンビ化する恋人を「置いて行けないわ。」と一緒に残るも、残った理性も死に完全にゾンビになってしまった男を、先ほど吐いた言葉の、その舌の根も乾かぬうちに全力で拒否る。
と、とにかく怖いよりも可笑しいが勝ってしまうのです。
ただ、音楽はかっこよくて、ゾンビ化の原因になるガスがトライオキシン245というのですが、そのテーマになる曲がおどろおどろしくて、湿っぽくて、科学の神秘でロックです。
その他にも、我が身のゾンビ化を嘆いて、身も心もゾンビになる前に自ら命を絶つシーンの曲も合ってないのに合ってるんです。
これは時代背景なのかな?私はちょっとカルチャーとして体験するにはど真ん中より少し後の世代なのでおぼろげにしかわからないのですが、この時代だから作られた作品なのかなと思います。
公開時、主なゾンビには名前がついていたそうで、個人的に最初にゾンビ化したハーゲンタフの名前がお気に入りです。
あと、葬儀社のアーニーはツイン・ピークスにもちょっと出ています。
そんなところも楽しめた映画でした。
以上、『バタリアン』についてでした。